消費税・源泉徴収・税率
馬の賞金には消費税も源泉徴収もかかります。それぞれの計算方法と、課税・非課税の区分を正しく理解することが大切です。
賞金にかかる源泉徴収
保有馬が賞金を獲得すると、給与と同じように所得税の源泉徴収が行われます。確定申告時には源泉徴収された税額は所得税の前払いとして精算されますので、所得によっては還付されることもあります。
源泉徴収税額 = {1回の支払金額 −(賞金 × 20% + 60万円)}× 10.21%
※ 10.21% = 所得税10% + 復興特別所得税0.21%
計算のポイント:まず賞金額の20%に60万円を加えた金額を差し引いてから、10.21%の税率を掛けます。つまり、少額の賞金であれば源泉徴収額がゼロになることもあります。
賞金にかかる消費税
馬の賞金には消費税が課されます。出走手当も同様です。個人事業主や法人の場合、収入金額が1,000万円を超えると翌々年度に消費税の課税事業者になります。
消費税の対象となるもの
賞金額が課税標準(消費税の対象)です。調教師等に支払う進上金や預託料などは、仕入れに係る消費税額控除の対象になります。また、重賞レースでもらったカップ等の賞品も課税対象です(購入価格の60%で評価。ただし名誉を象徴する文字がある場合は処分可能価格で評価)。
消費税の対象外となるもの
以下のものには消費税がかかりません。競走馬登録抹消金、競走馬事故見舞金、診療費および装蹄費の補助金です。また、外国のレースで獲得した賞金も消費税の対象外となります。金・貴金属の賞品は取得時の時価で評価されます。
| 項目 | 消費税 | 備考 |
|---|---|---|
| 各種賞金(本賞・出走奨励金) | 課税 | 課税標準として計算 |
| 特別出走手当 | 課税 | 全出走馬が対象 |
| 重賞レースの賞品(カップ等) | 課税 | 購入価格の60%で評価 |
| 進上金・預託料(支出側) | 課税 | 仕入税額控除の対象 |
| 競走馬登録抹消金 | 非課税 | ― |
| 競走馬事故見舞金 | 非課税 | 死亡・安楽死等 |
| 診療費・装蹄費の補助金 | 非課税 | ― |
| 外国レースの賞金 | 非課税 | 国外取引 |
税率について
事業所得の場合、確定申告でオーナーの方の他の所得と合算(総合課税)されるため、一概に何パーセントとお答えすることが難しくなっています。所得税は累進課税方式で、課税所得金額に応じて5%~45%の税率が適用されます。これに住民税10%が加わります。
法人馬主の場合:法人税の実効税率は約23~30%程度で一定のため、高額所得の個人馬主の場合は法人化することで税負担を軽減できるケースがあります。ただし、役員の個人的趣味と判断されないような工夫が必要です。
参考資料・リンク集
- 国税庁競走馬の保有に関する税金(国税庁通達)
- 国税庁競馬賞金等一覧(PDF)
- 国税庁競走馬の登録、出走回数及び競馬賞金収入等証明書(中央競馬)
- 国税庁競走馬の登録及び出走回数等証明書(地方競馬)
- 国税庁競馬賞金等の収入証明書(地方競馬)
- 国税庁競走馬の保有に係る所得税申告等の流れ(PDF)
- JRAJRA 中央競馬Q&A
参考:日本馬主協会連合会・日本地方競馬馬主振興協会発行「競走馬、所得税及び復興特別所得税・消費税及び地方消費税の手引」、国税不服審判所裁判例No.33