一般貨物自動車運送事業
許可申請ガイド

許可を取得するために必要な要件、書類、手続きの流れを詳しく解説します。

🚚 運送業の種類を確認しましょう

「運送業」と一口に言っても、法律上は複数の事業区分があります。最も多いのが「一般貨物自動車運送事業」で、このページではこの事業の許可取得を中心に解説します。

事業の種類 概要 手続き 最低車両台数
一般貨物自動車運送事業 不特定多数の荷主から運送依頼を受けて荷物を運ぶ事業です。いわゆる「緑ナンバー」のトラック運送が該当します。 許可制 5台以上
特定貨物自動車運送事業 特定の1社の荷主とだけ契約して荷物を運ぶ事業です。 許可制 5台以上
貨物軽自動車運送事業 軽自動車やバイクで荷物を運ぶ事業です。宅配やフードデリバリーなどが該当します。 届出制 1台から
ポイント:霊柩運送の場合は、一般貨物自動車運送事業の許可が必要ですが、車両台数は1台から申請可能です。

許可の5つの要件

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するには、以下の5つの要件を満たす必要があります。

🏢 要件① 営業所・車庫・休憩施設

営業所

使用権原(自己所有または賃貸)があり、都市計画法・建築基準法・農地法等の関係法令に抵触しない場所に設置します。営業区域内にあることが必要です。

車庫(車両の保管場所)

  • 原則として営業所に併設してください。併設できない場合は、営業所から直線距離で10km以内(地域による)であることが必要です。
  • 車両と車庫の境界、車両相互間に50cm以上の間隔を確保してください。
  • 前面道路の幅員が車両制限令に適合していることが求められます。
  • 使用権原を証明する書類(賃貸借契約書等)が必要です。

休憩・睡眠施設

ドライバーが休憩できるスペースを営業所または車庫に併設します。長距離運行で睡眠が必要な場合は、1人あたり2.5㎡以上の睡眠施設も必要です。

🚚 要件② 車両(事業用自動車)

営業所ごとに5台以上の事業用自動車を配置しなければなりません。

  • 自己所有、リース、割賦いずれでも構いません。使用権原を証明できることが条件です。
  • 車検証の写し(新規購入の場合は売買契約書等)を添付します。
  • 車両の大きさは、計画している輸送品目・量に適したものであることが必要です。
注意:申請時点で車両を確保済みである必要はありませんが、「取得計画」を具体的に示し、許可後1年以内に実際に運輸を開始できることが求められます。

💰 要件③ 資金(自己資金)

事業開始に必要な「所要資金」の全額を、申請時点で自己資金として確保している必要があります。

項目 計算の考え方
人件費役員報酬・ドライバー給与等の6か月分
車両費取得価格の全額(リースは6か月分のリース料)
施設費(営業所・車庫)賃借料6か月分+敷金・礼金等
保険料自賠責保険+任意保険(対人無制限、対物200万円以上)1年分
各種税(自動車税等)1年分
その他経費燃料費・修繕費等の6か月分
目安:事業規模によりますが、一般的に1,500万円~2,500万円程度が目安です。残高証明書を申請日の前後で2回提出する必要があります。

👥 要件④ 人員(運行管理体制)

運行管理者

営業所ごとに、車両の台数に応じた運行管理者を選任する義務があります。29台まで1名、以降30台ごとに1名追加です。

  • 運行管理者試験に合格した方、または一定の実務経験+講習受講を満たした方が対象です。
  • 運行管理者は、ドライバーと兼務することも法律上は可能ですが、実務上は専任が望ましいとされています。

整備管理者

営業所ごとに1名の整備管理者を選任します。

  • 資格ルート:1級・2級・3級の自動車整備士資格を保有している方
  • 実務ルート:2年以上の整備実務経験+整備管理者選任前研修の修了

ドライバー

事業計画に見合った人数のドライバーを確保します。5台の車両に対し、5名以上のドライバーが必要です。

📚 要件⑤ 法令試験への合格

許可申請後、申請者(法人の場合は常勤役員、個人事業主の場合は事業主本人)が法令試験を受験し、合格する必要があります。

試験の概要

項目 内容
受験者法人:常勤役員のうち1名 / 個人:事業主本人
実施時期申請受理後、おおむね2か月以内
試験形式○×式および選択式(30問程度)
試験時間50分
合格基準正答率80%以上(24問以上正解)
持込み条文集の参照が認められています
不合格の場合1回に限り再受験が可能です。再度不合格の場合は申請が却下されます。

主な出題範囲

  • 貨物自動車運送事業法
  • 貨物自動車運送事業法施行規則
  • 貨物自動車運送事業輸送安全規則
  • 道路運送車両法
  • 道路交通法
  • 労働基準法
  • 自動車事故報告規則
  • その他関係法令
合格のコツ:条文集を持ち込めるため、丸暗記よりも「どの条文にどんな規定があるか」をすぐに引けるようにしておくことが合格の近道です。当事務所では法令試験対策のサポートも行っています。

申請に必要な書類一覧

許可申請には、以下の書類を準備して管轄の運輸支局に提出します。

📄 主な提出書類

書類名 備考
一般貨物自動車運送事業 経営許可申請書所定様式
事業計画書営業所・車庫・車両・運行系統等を記載
資金計画書(所要資金の見積り)人件費、車両費、施設費等の内訳
残高証明書申請日前後に各1通(金融機関発行)
施設の使用権原を証明する書類賃貸借契約書、登記事項証明書等
車庫の平面図・求積図車両の配置がわかる図面
車庫前面道路の幅員証明書道路管理者が発行
車両一覧表・車検証の写し未取得の場合は売買契約書等
運行管理者資格者証の写し選任予定者のもの
整備管理者の資格を証する書類整備士資格証 or 実務経験証明書
宣誓書(欠格事由に該当しない旨)役員全員分
法人の場合:登記事項証明書・定款の写し直近のもの
個人の場合:戸籍抄本・住民票直近のもの
ご注意:上記は主な書類です。申請内容や管轄の運輸支局によって追加書類を求められる場合がございます。当事務所では書類作成を一括でサポートしております。

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