許可を取得するために必要な要件、書類、手続きの流れを詳しく解説します。
「運送業」と一口に言っても、法律上は複数の事業区分があります。最も多いのが「一般貨物自動車運送事業」で、このページではこの事業の許可取得を中心に解説します。
| 事業の種類 | 概要 | 手続き | 最低車両台数 |
|---|---|---|---|
| 一般貨物自動車運送事業 | 不特定多数の荷主から運送依頼を受けて荷物を運ぶ事業です。いわゆる「緑ナンバー」のトラック運送が該当します。 | 許可制 | 5台以上 |
| 特定貨物自動車運送事業 | 特定の1社の荷主とだけ契約して荷物を運ぶ事業です。 | 許可制 | 5台以上 |
| 貨物軽自動車運送事業 | 軽自動車やバイクで荷物を運ぶ事業です。宅配やフードデリバリーなどが該当します。 | 届出制 | 1台から |
一般貨物自動車運送事業の許可を取得するには、以下の5つの要件を満たす必要があります。
使用権原(自己所有または賃貸)があり、都市計画法・建築基準法・農地法等の関係法令に抵触しない場所に設置します。営業区域内にあることが必要です。
ドライバーが休憩できるスペースを営業所または車庫に併設します。長距離運行で睡眠が必要な場合は、1人あたり2.5㎡以上の睡眠施設も必要です。
営業所ごとに5台以上の事業用自動車を配置しなければなりません。
事業開始に必要な「所要資金」の全額を、申請時点で自己資金として確保している必要があります。
| 項目 | 計算の考え方 |
|---|---|
| 人件費 | 役員報酬・ドライバー給与等の6か月分 |
| 車両費 | 取得価格の全額(リースは6か月分のリース料) |
| 施設費(営業所・車庫) | 賃借料6か月分+敷金・礼金等 |
| 保険料 | 自賠責保険+任意保険(対人無制限、対物200万円以上)1年分 |
| 各種税(自動車税等) | 1年分 |
| その他経費 | 燃料費・修繕費等の6か月分 |
営業所ごとに、車両の台数に応じた運行管理者を選任する義務があります。29台まで1名、以降30台ごとに1名追加です。
営業所ごとに1名の整備管理者を選任します。
事業計画に見合った人数のドライバーを確保します。5台の車両に対し、5名以上のドライバーが必要です。
許可申請後、申請者(法人の場合は常勤役員、個人事業主の場合は事業主本人)が法令試験を受験し、合格する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験者 | 法人:常勤役員のうち1名 / 個人:事業主本人 |
| 実施時期 | 申請受理後、おおむね2か月以内 |
| 試験形式 | ○×式および選択式(30問程度) |
| 試験時間 | 50分 |
| 合格基準 | 正答率80%以上(24問以上正解) |
| 持込み | 条文集の参照が認められています |
| 不合格の場合 | 1回に限り再受験が可能です。再度不合格の場合は申請が却下されます。 |
許可申請には、以下の書類を準備して管轄の運輸支局に提出します。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 一般貨物自動車運送事業 経営許可申請書 | 所定様式 |
| 事業計画書 | 営業所・車庫・車両・運行系統等を記載 |
| 資金計画書(所要資金の見積り) | 人件費、車両費、施設費等の内訳 |
| 残高証明書 | 申請日前後に各1通(金融機関発行) |
| 施設の使用権原を証明する書類 | 賃貸借契約書、登記事項証明書等 |
| 車庫の平面図・求積図 | 車両の配置がわかる図面 |
| 車庫前面道路の幅員証明書 | 道路管理者が発行 |
| 車両一覧表・車検証の写し | 未取得の場合は売買契約書等 |
| 運行管理者資格者証の写し | 選任予定者のもの |
| 整備管理者の資格を証する書類 | 整備士資格証 or 実務経験証明書 |
| 宣誓書(欠格事由に該当しない旨) | 役員全員分 |
| 法人の場合:登記事項証明書・定款の写し | 直近のもの |
| 個人の場合:戸籍抄本・住民票 | 直近のもの |