銀行は決算書のどこをどう見ているのか、融資審査の実務を詳しく解説
銀行が最初に見るのは「営業利益 + 減価償却費」です。この合計が借入金をどれだけ返済できるかを判定します。 本業が黒字で、継続性があることが最も重要です。
利益があっても、現金がなければ返済できません。売掛金の回収サイクル、在庫の適正性、 長期滞留債務がないかを確認します。
自己資本比率、流動比率、債務超過の有無など、会社全体の財務安全性をチェックします。 これによって追加融資や信用枠が変わります。
決算書の数字だけでなく、その背景にある理由や経営方針を説明できるかが大切です。 月次試算表や資金繰り表を用いて、「いま何が起きているか」を説明できる社長は信頼されます。
| 項目 | 融資しやすい | 融資しにくい |
|---|---|---|
| 売上高の推移 | 右肩上がり or 安定 | 減少傾向 |
| 営業利益 | 黒字(3期連続) | 赤字 or 変動が大きい |
| 減価償却費 | 100%計上 | 過度な節税で少ない |
| 自己資本比率 | 20%以上 | 10%未満 |
| 借入金 | 営業CF + 減価償却×10年分以内 | 過剰 or 短期借入が多い |
| 売掛金・在庫 | 適正水準、長期滞留なし | 過大 or 期末に膨張 |
| 役員貸付金 | なし or 返済計画がある | 多額で返済計画なし |
| 月次試算表 | 毎月作成・提出できる | 決算後に作成 or 作成しない |
「営業利益 + 減価償却費」が借入金を継続的に返済できる水準であること。 これが融資審査の全てです。黒字でも減価償却費が少ないと、返済余力がないと判定されます。
3期連続黒字が、融資審査における一つの目安になります。赤字で1期経ても「改善傾向」なら審査に通ることもありますが、 2期連続赤字は「債務者区分」が下がり、金利上昇や追加融資が困難になります。
銀行が最も重視する指標は「債務償還年数」です。計算式は以下の通りです:
10年以内が健全な借入水準です。15年を超えると融資が厳しくなります。
毎年の黒字利益が自己資本に積み上がっていることが重要です。配当や役員借入で流出していないか確認されます。 自己資本が増加傾向なら、会社全体の信用力が高まります。
決算書だけでなく、月次試算表や資金繰り表をすぐ出せる会社は信頼されます。 「今月の業績」「来月の見通し」「3か月後の資金」を説明できる社長は、銀行からの評価が大きく異なります。
融資申込時には、決算書だけでなく「過去3期の月次試算表」と「今年度の月次試算表(直近3か月)」を あわせて提出すると、銀行の信頼を大幅に高めることができます。
営業利益 + 減価償却費が借入金返済能力を示します。 次に現金(キャッシュフロー)があるか、そして会社全体の財務安全性をチェックします。 最後に社長の経営説明力で信用度が変わります。