融資力を上げる改善実務

決算書を改善し、銀行からの信用を勝ち取るための具体的な手順

改善の考え方:サイクル

融資力を上げるには、以下の4つのステップを循環させることが重要です。 決算書の改善は1年では不可能。3期(3年)をかけて、段階的に改善していきます。

1

利益改善

本業の黒字を確保し、継続性を示す

2

資金繰り改善

現金を増やし、安定性を示す

3

財務体質強化

借入を減らし、自己資本を増やす

4

説明資料整備

月次試算表などで、経営説明力を磨く

この循環を回し続けることが、融資力向上の鍵です。

改善の順番(4ステップ)

ステップ1:本業の黒字化(第1期目)

最初の目標は「営業利益の黒字化」です。赤字から黒字への転換は銀行に大きなインパクトを与えます。

ステップ2:資金繰り改善(第1~2期目)

黒字を達成したら、次は「現金を増やす」ことです。利益があっても現金がなければ返済できません。

ステップ3:財務体質強化(第2~3期目)

現金が増えてきたら、借入を計画的に返済し、自己資本を増やします。

ステップ4:説明資料整備(常時)

1~3と並行して、月次管理と説明資料を整備していきます。

💡 改善の最重要ポイント

改善は「決算書の数字」だけでなく、「銀行への説明」も同じくらい重要です。 月次試算表があれば、毎年銀行に提出して「いま何が起きているか」を説明できます。 これが銀行からの信用を大幅に高めます。

次回決算までにやるべき実務

実務項目 目的 頻度 納期
月次試算表 経営状況を毎月把握 毎月 翌月10日まで
売掛金年齢表 回収期間の短縮 毎月 月末
在庫棚卸 期末在庫の正確性確認 年1回(決算時) 決算月
役員貸付金整理 清算計画の策定 年1回 年度開始時
借入一覧表 返済計画の把握 年1回 決算時
資金繰り表 3~6ヶ月先の現金予測 毎月更新 月末

実務を簡素化するコツ

これらの実務は、Excelのテンプレートを作成しておくと、毎月の作業量が大幅に減ります。 特に月次試算表と資金繰り表は、銀行への融資申込時に最大の武器になります。

融資面談で一緒に出すと強い資料

必須資料

あると強い資料

さらに信用を高める資料

面談の際の心構え

銀行との面談では「数字を説明する」ことより「ビジョンを語る」ことが重要です。 「売上を〇〇にして、利益を〇〇にする」というビジョンを、月次試算表や資金繰り表で 説得力を持って説明できれば、銀行の格付けは大きく上がります。

社長が面談で言えるようにしておきたい一言

パターン1:黒字が続いている場合

「おかげさまで営業利益が〇年連続で黒字です。 今年は売上が〇円、営業利益が〇円まで増やす見込みです。 月次試算表で毎月の動きを確認しており、融資の返済は営業利益で十分対応できます。」

パターン2:赤字から黒字に転換した場合

「昨年は赤字でしたが、今年は営業改善により黒字に転換しました。 原因は〇〇です。来年以降も継続的に黒字を確保し、返済能力を高めていくつもりです。 月次試算表で進捗を管理しており、銀行にも毎月報告します。」

パターン3:売上が減少している場合

「売上が減少したのは〇〇という理由です。 対策として〇〇を実施しており、来年の売上は〇〇までの回復見込みです。 経営努力で黒字は確保する予定です。」

パターン4:設備投資や借入増加を説明する場合

「今回の融資で〇〇の設備投資を予定しています。 これにより年間〇円の売上増加が見込め、営業利益は〇円増加します。 投資回収期間は〇年で、融資返済は十分可能です。」

一言の力

銀行員は「社長がどれだけ経営を理解しているか」を聞いています。 決算書の数字ではなく「社長の口から説明」される数字が、銀行の信用を左右します。