社会保険労務士の合格体験記


HN ブルース小僧さん

昨年の夏、「社労士と行政書士を取って独立したい」という気持ちで、それまで10年近く勤めた会社を思い切って辞めました。
とりあえず先に行政書士を受けたのですが、合格率が2.9%という異例の低さの中、1点足らずに不合格となりました。
 
「絶対に今年は行書リベンジ!」という強い気持ちで、年頭には行書の勉強を開始しました。2度目の勉強ということもあり、2月頃からは、平行して社労士の勉強も少しずつやる余裕も出てきました。
当時はあくまで行書がメインで、社労士については、とても勉強時間が足りないので来年受験しよう、という気持ちでした。
 
しかし、気持ちの転機は突然訪れました。
春先にかけてわずか3ヵ月という短期契約でしたが、社労士事務所で営業を経験させてもらうことができました。その事務所には、当然社労士の方が幾人かいらっしゃって、その内の1人の方には特によくしてもらいました。(その方には、今でも時々飲みに連れて行ってもらいます)
そうこうしてるうちに、行書よりも先に社労士を取った方がいいのでは?と考えが変わってきました。
実は、昨年会社を辞めた後、4ヵ月ほど土地家屋調査士と行政書士の事務所に勤めていたのですが、行書の仕事の不安定さを実感していました。行書はあくまで副業として位置づけた方がよい、という解釈でした。
 
そして3月の半ばには、完全に社労士1本に切り替えました。
当初は専門学校に通おう、と思っていたのですが、試験まであとわずかということもあり、なかなか自分にとって都合のよい講座がありませんでした。ですから、いっそ独学でやろうと決意しました。
 
社労士事務所を辞めた後は、基本手当を頼りに、ろくに就職活動もせずに勉強しました。
よく社労士の勉強時間は「800〜1000時間」といわれます。試験までの残日数を考慮すると、私の場合は1日約7〜8時間は必要でした。まるで勉強することが仕事みたいなものでした。
特に7月に入ってからは猛暑の連続でしたので、毎日図書館通いです。新聞片手に昼寝しているおじさんを横目に、ある意味うらやましいと思ったり、たまに社労士を勉強している人が隣の席になると、妙に気になったり。
それでも試験前日までは、1日7〜8時間のペースは守りました。「今年絶対に合格するんだ」という強い意志と、勉強内容への好奇心で、日々の長い勉強時間はそれほど苦痛には感じなかったせいでしょうか。
私用で2日ほど全く勉強ができない日があったのですが、その日はとても憂鬱に感じたものでした。
 
私の市販参考書等の選定基準は、
@参考書は、内容(ページ数)はどれも似たり寄ったりだろうから、自分にとって「見やすいもの」を優先する 
A過去問は、社労士試験の特徴として一肢一肢独立したものが多いため、「一問一答式」にこだわる 
また、私の勉強方法の特徴は、
@テキストを1読したら、2巡目は平行して「自分のノート」を作る(視覚に訴えるよう、なるべく図や表を多用) 
A無理やり暗記するというより、何度も何度もノートを往復し「常に横断学習を意識」しながら、「脳や視覚に焼き付ける」といったイメージで覚える 
B過去問は「最低5回」は回す(5回目くらいから問題を見た瞬間にアウトプットが容易になってくる) 
C残り1ヵ月で予想問題集を極力やり、理解できていない箇所の整理と記憶の定着を図る(9回分くらいやりました)
D最後の2週間でテキストをもう一度熟読する
といったことでした。
 
そして試験当日。
今までに受けた試験とは比較できないほど、試験会場はだだっ広く殺風景、そして厳粛な雰囲気を感じました。
私の場合は妙なジンクスがあって、「試験会場の端の席や最前列の席だと、その試験は落ちる」というものです。大学受験からそうでした。行書も端の最前列でした。しかし、社労士の場合はちょうど真ん中くらいの席で、変なところでホッとしたものでした。
 
午前の試験が終わると、すぐに少し離れた喫茶店に入りました。なるべく周りの受験生から身を遠ざけて、午前の試験を考えない環境にしよう、ということからでした。
健保は意表をつかれた問題でしたが、解いている最中は自分では5問ともできたものと思っていました。(結果2点でした)その勘違いが良かったのでしょう。「とりあえず選択はOKだな」などと思いながら、午後の試験を迎えることができたのです。
 
午後の試験は、終了30分前にとりあえず終わり、見直しをして丁度タイムアップ。その時は、正直合否は微妙かな?と思いました。特に労災と社会保険関係は半分くらいしかできていないような感触だったからでした。
 
そして11月12日。朝9時30分に試験センターのHPを見るもなかなか発表されませんでした。やきもきしていると、突然携帯が鳴りました。よくしてもらっている社労士の方からでした。
「今、社労士会に見に来たが、名前載っていたよ」とのことでした。
 
先日、合格通知と結果通知が来ました。選択33点・選択50点。
何よりも「自分なりの努力は報われた」「もう苦しくて長い試験勉強をしなくてもいいんだ」という安堵感を感じました。
特に私の場合は、今後の自分の「生き方」といったものを考えた上で、思い切って長年勤めていた会社を辞めてまでの社労士挑戦でした。いわば「背水の陣」の心中でした。ですから、うれしさ以上にやはり安堵感というものを感じました。
 
現在は就職活動をしながら、自分なりではありますが、社労士業務に役立つであろうと思われる書籍を読んだり、ネット等で情報収集をしています。そして、気が早いよと言われそうですが、開業後の社労士HPを作成中です。
また来年は、税理士(簿財)の他に年金アドバイザー2級と、確定拠出年金アドバイザー資格を取とうと考えています。
大変なのはまだまだこれからです。ですが、目標をもってやり遂げることの意義みたいなものをこの社労士受験で実感することがでました。
 
以上が私の合格体験談です。(長々書いてしまって申し訳ありません。ちなみにHNは「ブルース小僧」とでもして下さい。)