パートタイム労働法
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林 敦子
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パートタイム労働法の改正Q&A

改正となったパートタイム労働法についてQ&A方式でご説明します。

労働条件の通知義務
Q パートタイム労働者を雇うときに労働条件を通知する場合口頭で説明すればいいのでしょうか?。


パートタイマーの労働条件とは、通常の正社員より個々で労働条件が異なることが多く文書による交付が義務付けられました。
労働基準法第15条にも以下の内容については書面で労働条件を通知することを定めています

★労働契約の期間
★就業の場所、従事すべき業務
★始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無 就業時転換(労働者を二組以上に分けて就業させる場合)に関する事項
★賃金の決定、計算及び支払方法、賃金の締切、支払いの日
★退職に関する事項(解雇の事由を含む

ここまでが労働基準法に定められている書面交付義務の内容ですがパートタイム労働法では以下の3点もトラブルの元になるため明示義務を課しています。

★昇給の有無
★賞与の有無
★退職金の有無

罰則 10万円以下の過料 (労働基準法では30万以下の罰金)非訴訟事件手続法の過料事件の規程により管轄地方裁判所において手続きがなされます。

その他定めがあれば書面でなくても明示するものとして
退職手当 賞与 
労働者に負担させる食費 作業用品等
安全衛生 職業訓練 災害補償など
休職 表彰制裁に関する事項

パートタイム労働者が希望すればファックスやメールでも可能です。


待遇についての説明義務
Q 今回の改正で、パートタイム労働者に対し、待遇の決定について説明することが義務付けられたというが
具体的に、どんな場合に、どんな内容を説明するのか? 納得してくれないときはどうするのでしょうか?

A 改正では、パートタイム労働者から求められたとき、事業主は以下の事項についてパートタイム労働者の待遇を決定するにあたって考慮した事項を説明することが義務付けられています。 
パート労働者が、必ずしも納得することまで求められていません。

★労働条件の文書交付等
★就業規則の作成手続き
★待遇の差別的取扱いの禁止
★賃金の決定方法
★教育訓練 福利厚生施設
★通常の労働者への転換を推進するための措置


具体的には、あなたはパートだから賃金は時給○円という単純なものでなく
通常の労働者に比べ、仕事内容、責任の程度が低いためその職務の内容を勘案して賃金を決定した旨説明することが求められます。

 非正規社員の56.4%が賃金など正社員と格差があることに不満を持ち、その理由の7割が仕事内容に正社員との差がないことをあげています。

 不満を抱いたまま働くことはモチベーションの低下につながり、ひいては労働生産性を低下させる結果となり企業にとってもよいことではありません。

 話し合い、自分の立場への理解がモチベーションを上げてパートタイマーの生き生きとした職場環境を作り上げることになり、企業にとってもこれからは求められる時代となります。

通常の労働者と職務内容が同じパート労働者の差別的取扱い禁止
Q 通常の労働者と職務内容が同じパート労働者とは具体的にどこまで同じなら適用されるのでしょうか
差別的に取り扱えない範囲はどこまででしょうか?

A 今回のパートタイム労働法では正社員とパートで実質同じ場合は差別的取扱いを禁止義務を設け
ある程度同じパートにはその貢献に応じて均衡待遇の推進努力義務を設けました。

またすべてのパートタイマーに対し、能力、経験、実績、意欲などを考慮して賃金その他の待遇を決定する努力義務が課せられました。

この法律の趣旨は、パートであることを理由とした差別的取扱いをなるべくなくそうということです。

 ★まず業務の内容が実質同じかどうかのフローチャート

1 業務の種類が同じ? →異なる場合は職務の種類が異なる
    ↓
2 業務の内容を細分化し、
中核的業務(職務不可欠、時間割合大、業績評価対象)
を抽出しその業務が実質的に同じ
                                          →異なる場合は職務の種類が異なるパート
  (一見異なっても実質的に同じの場合も含む)
     ↓ 同じ場合

3業務に伴う責任(権限、部下 契約、業務成果 
トラブル対応 決裁権限 ノルマなど)
の程度が著しく異なるか?                         →異なる場合は業務の内容が異なるパート 

ポイント 同一といってもここの作業まで完全に一致していることを求めるものでなく実質的に同じかどうか
責任についても著しく異ならないかで判断するので注意が必要です。

 ★次に退職までの人材活用の仕組みや運用が同じかどうかのフローチャート

1どちらも転勤あり どちらも転勤なし          パートだけ転勤なし→人材活用の仕組み異なるパート
    ↓
2転勤(全国かエリア)の範囲が異なるか?    パートだけエリア転勤→人材活用の仕組み異なるパート
    ↓
3職務内容の変更 配置変更があるか?(人事異動、昇進など) 
  パートは変更なし→人材活用の仕組み異なるパート

 ★契約期間が同じかどうかのフローチャート(今回の改正で期間の定めがあるかどうかは判定から除外されることが決定しました。)

1契約期間は正社員は期間定めない パートは有期契約
    ↓
期間の定めのない労働契約とは、期間が定めがあっても期間の定めがないものと同じとみられるものも含みます。
 同じとみられる場合とは以下の点から実質的に判断されます。

○業務内容 地位の恒常性 臨時性など

○継続雇用される旨期待させる事業主の言動

○更新の回数、有無手続きの実態 同様の労働者の更新状況 雇い止めはないか


 これらすべてに当てはまる正社員並みの労働者には、すべての取扱い(賃金、教育訓練、福利厚生)について差別的取扱いが禁止されます。

 所定労働時間の短さによる賃金の低さ、能力、実績などによる賃金差が出ることはこの法律の定めるところではありません。(1表による)

パート労働者のモチベーション、正社員との均衡を図る上でもこの表のようにパートタイムだから一律同額ではなく
職務別、能力別に評価賃金制度を設けるのもこの機会に設定することもお勧めです。

 パートタイムの仕事や能力等により3種以上の評価、資格制度を設けたうえで就業規則に定めを置き、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上出た場合2回に分けて15万ずつパートタイマー均衡待遇推進助成金が申請によりもらえます。

 また正社員と共通の待遇制度を導入し、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上出た場合25万円ずつ2回にわたりパートタイマー均等待遇推進助成金が申請により交付されます。

パート労働者の正社員への転換制度
Q 改正によりパートでも正社員へ転換する制度を設けないといけないのでしょうか?
 
A 事業主は、パートから通常の労働者へ転換推進するため、次のいずれかの措置を講じなければなりません。(義務)

★通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する。
★通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム労働者にも応募機会を与える
★パートタイムろうどうしゃが通常の労働者へ転換するための試験制度を設けるなど、転換制度を導入する。
★その他通常の労働者への転換を推進するための措置

 必ずしもパートタイム労働者を優先採用することまで求めるなど採用活動を制限するものではありません。

またこのような転換措置義務は、すべてのパートタイマーに公平に行われるべきものであり、正社員にしたい人にだけ教えるなどというのはこの措置を講じているとは認められません。

 パートタイム労働者は、最初にパート契約だと本来は正社員として働きたい。
また、子供が大きくなってきて、仕事ももっと幅広くキャリアアップしたいので正社員になりたい

 そんな要望があるパート労働者の場合、いつまでも最初のパート契約のままでは、モチベーションも下がります。
 また雇用する側でも、職務経験豊富で能力の把握が今までの実績から可能なパートの正社員への転換は、一度きりの面接での正社員採用よりリスクが軽く安心な面があります。

 これを機会にパートタイマーから正社員への転換制度を導入してみることもお勧めです。

 転換制度を就業規則などに設け、実際に転換者が1名以上出た場合、15万円ずつ2回にわたりパートタイマー均等待遇推進助成金の交付が申請により認められます。


苦情処理・紛争解決の援助
Q 改正により 、パートタイム労働関連に関するトラブルの解決のための制度ができたのでしょうか?

 A 事業場内の苦情や紛争などのトラブルは、当事者と事業主との話し合い、苦情処理機関に苦情の処理をゆだねるなどによる自主的解決が努力義務化されました。

対象となる苦情は、 労働条件の交付等、 待遇の決定説明、 待遇の差別的取扱い禁止、職務の遂行のため必要な教育訓練、福利厚生施設、通常の労働者への転換措置

苦情処理機関とは、短時間雇用管理者(10人以上のパートタイマーがいる場合雇用管理改善のための短時間雇用管理者の選任努力義務があります)、人事担当者など事業所内の苦情処理機関をいいます。


 事業場内で解決できない場合

1 都道府県労働局長による紛争解決の援助
 都道府県労働局長は、紛争の当事者の双方または一方からの解決につき援助を求められた場合
必要な助言、指導または勧告ができます。 この援助を求めたことによるパートタイマーへの不利益取扱いは禁止されています。

2 調停
 都道府県労働局長は、紛争当事者の双方または一方からの調停の申請があった場合において、当該紛争解決のため必要があると認めたときは「均等待遇調停会議」に調停を行わせることができます。
これも調停を申請したパートタイマーへの不利益な取り扱いは禁止されています。


教育訓練・福利厚生施設
Q 改正により教育訓練しなくてはいけない場合 福利厚生も差別してはいけない場合が出てきたのでしょうか
 パートタイム労働法第10条により、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、職務の遂行上必要な能力を身につけさせるための訓練について以下のようになりました。

 職務の内容が同じ場合、そのパートタイマーが既に必要な能力を身につけている場合をの除きそのパートタイマーに対しても同様に同じ教育訓練をすることが義務化されました。

 キャリアアップのための職務に直接必要のないものは、パートタイマーの職務の内容等に応じて努力義務化となりました。

福利厚生施設については、給食施設、休憩室、更衣室については、パートタイム労働者にも利用の機会を与える配慮が義務化されました。(増築までは求められない)


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