涙の子犬物語

 

今でこそ犬を飼っていますが、子どもの頃は大の犬好きにもかかわらず、親の「生き物は死ぬから嫌だ」と言うわけのわからない言い訳で、泣く泣く拾ってきた子犬を捨てに行かなきゃならない羽目になることが多く

 親友のこれまた大の犬好きとともに、森の中に拾ってきてもう完全に情の移ってる子犬をダンボールにいれえさとともに置きました。

クーんと言う声が後ろから聞こえてそれを振り切って涙ながらに自転車をこぐ自分がさながら映画の悲劇のヒロインのように思え、捨てて来いと命じた親はまるで極悪非道な悪役に

  そして、やっと自分の家を持ち、臥薪嘗胆苦節何十年と言う時を経て犬を飼いたいという悲願が叶う時がやってまいりました。

飼う犬は、ただ単純にでかくてきれいと言う理由でゴールデンレトリバーに決めていました。 うちの人も「ゴールデンレトリバーならイングリッシュガーデンにもあうしな。」などと近い将来庭に及ぼす様々な損害など予想もせずつぶやきました。

 ところが購入したペット屋は怪しいペットやでペット屋の
「いい子がいるよ」とポン引きのようなせりふを電話で聞いて飛んでいったのですがみたらもうほとんど大きくなっていて子犬とは思えない要するに売れ残りでした。

 しかも、店員さんの話では、売れなくなると現物給与になるらしく、ハスキーやら飼ってってるんだということ。

それから5月生まれと言う事でメイと命名し現在に至っております。メイでたしめでたし

  メイはその後もいろいろなハプニングを起こしてくれましたが、購入前のゴールデンレトリバー

のイメージとしては、優雅できれいというものでしたが、見事にそのイメージをぶち壊してくれました。

まず本人が臭いだけでなく、臭いにおいが大好きで、散歩に行き、ザリガニの死体やごみ汁など臭いものがあると喜んで自分の体にすりすりします。

一度、インフルエンザにかかり、散歩をサボり続けた時に、メイは脱走犯になりました。

40度近い熱があるからだでふらふらしながらも、近所を子どもとともに必死に探しました。

暗くなり、車にひかれたらどうしようとか、きっとかわいいから誰か連れていっちゃったのかもとか

でも次の日、見事に彼女は朝帰りして来ました。しかも体中に生ごみの匂いをつけて。。。


豚小屋の思い出

 

小学校の頃、学校の裏道(決して通学路ではない)をよく友達と帰ったんだけど、林道みたいな道で途中に豚小屋がありました。

その豚はなんか子ども心にとてつもなくでっかくて鼻がひん曲がりそうなくらい臭くて汚くて…それも半端じゃない数がいるんです。

学校の給食の残りと思われるみかんの皮やら残飯をそれはそれはすごい勢いで食べていました。

何でも食べるので面白くてよく給食を残してえさをあげたりもしました。

でも動物好きな私たちはそのままほって放置なんてことはしません。

最初は怖かったんだけど、だんだん近づき、そこらへんにおいてあった棒切れを豚の鼻の穴に突っ込んでみたら、あら大変

ブヒーーーと言う悲鳴とともに豚たちが暴れだしました。

もちろん脱兎のごとく友達と逃走したのはいうまでもないことです。

 しばらく通らなかったんだけど、ほとぼりが冷めてくるとまた豚小屋に行ってみたくなり2人でいってみました。

そうしたらなんとあの豚たちが、柵から出て放し飼いになっているじゃありませんか。

そして私たちを発見するとこちらの方へ走ってくる!その時の恐怖たるやもう物の怪姫のしし神様どころじゃありません!

命からがら開けた道路に出たときはもう地獄からの生還のように安心しました。

その後豚小屋の前を通った人の話は聞きません。


ハムスターの思い出

まだ子どもが幼稚園の頃、集合住宅で飼えるのでたちまち人気を博したのがハムスターです。

家にもジャンガリアンハムスターという従来のねずみとは一回り小さくてとてもかわいいのを二匹深く考えず飼いはじめました。

なんともかわいくて、スペースもとらないし、安いし、静かだし犬のように臭くて大きなふんもしない。

これはもしかしたら21世紀のパーフェクトペットだと思いました。

たちまち近所の子どもの友達の間まで人気者になりました。

 とある日買い物から帰ってきてふと子ども達がハムスターで遊んでいました。なにやらむしゃむしゃ食べています。

変なもの食べさせちゃだめだよ。とよくみると生きているこおろぎを踊り食いしてました。

 そして何日かたったある日ふと一匹のハムスターを取り上げると、これまたびっくり!ポークビッツのような小さなものが5つぐらいぶら下がって付いてるじゃありませんか。

も、もしかして…これがベービーと気が付いたと同時にハツカネズミと言うのは妊娠期間が二十日でねずみは大変繁殖力が強いと言う事が脳裏に浮かびました。

 このままハムスターランドになったらそれこそネズミ算的にねずみの数がふえてしまう。それはいくらパーフェクトペットでもうやばすぎる。

相談した結果、近所の子ども達になんとか引き取ってもらう事にしました。

 子どもはみんなすごく欲しがり喜ぶのですが、親は死ぬほど嫌いな人もいるわけです。

上の子の友達は大の動物好きだったのでさしあげたのですが、お母さんは大嫌いだったらしく、きっと内面はらわたの煮えくり返る思いをしていたことでしょう。

 そしてそこそこ落ち着いたある朝、私はこの頃から早朝4時5時に起きて歴史小説を台所の片隅で2時間弱ぐらい読むのを生活習慣としていたのですが、まだ冬で当たりは真っ暗な頃です。

トイレに行くと隅にうん○がおちてるじゃありませんか。しかも大きい。でもよーくみるとトイレの隅っこにハムスターがうずくまっていただけでした。

ハムスターは夜行性だとは知ってたけど、入れ物に入れてあったのに夜中に逃げ出すなんてなかなかの曲者です。

ジャンガリアンはしばらくすると他の人に譲り、家は、また亀と魚と文鳥の平和な時が戻りました。

亀の思い出

鶴は千年、亀は万年とよく言われますが、それほど長生きなはずの亀さん。実は長いかめでも人間ぐらいまでしか生きられないようですが…

これも集合住宅にいた頃でまだ子どもが赤ん坊の頃害がないので、プラケースにいれて飼っていました。

そののろまで怠惰な動き、何が都合が悪くなるとほとぼりが冷めるまで甲羅に逃げ込む安易さ、まるで誰かさんのようである意味これは恐竜より前から地球に存在し今や21世紀の癒しの最先端を行く動物ではないでしょうかと思いました。

と言っても飼ってる時はそれほどかわいがりもせず、時々石やプラケースを掃除するのが臭いしめんどくさいし

そんなこんなで子育てにも忙しかった時期でもあり、暖かくなるとベランダに放置するようになってしまいました。

集合住宅のベランダほど住む人のクオリティがわかるものはないでしょう。

うちのように、生ごみや亀や石油ポリしかないうちもいれば、それこそきれいなミニガーディニングにしている立派なお宅もいる。

 ベランダに置くと言う事は、大分飼い主の意識からその動物が消えていると言う事を表していて、えさも時々忘れがちになり

ある台風のすごい日にその悲劇は起こってしまったのです。

とにかくすごい台風で雨の量がすごく次の日ふと、ベランダを見ると亀が死んでるでないですか

そうです。うちの亀は海がめでないのでプール状態になったプラケースで溺れてしまったのです。

いや今までいろいろなものを飼ってみたけどこれほど壮絶な死に方はお目にかかったことがありません。

手厚く埋めてやったのですが、あの亀は万年の亀さんを死なせてしまった罪は未来永劫消えるものでありません。

もう絶対ベランダにはペットを放置しないようにしおうと心に決めたのでした。

ところがしばらくしてほとぼりが冷めてくると、子どものために捕まえたとかげをまたベランダに放置してミイラ化させると言う

ブリザードが吹き荒れるような寒い事をしてしまいました。

ああ、亀さん、トカゲさんこの場を借りてごめんなさい!

金魚の思い出

 動物は死ぬから嫌だというわけのわからない理由で犬などを拒否してきたうちの親たちですが、父親は故郷に大きな池があり、そこに錦鯉を沢山飼っていたと言う経緯もあり自分のうちのせこい庭にも池を作り噴水を通して金魚を飼っていました。

ただ、屋外の池のため、猫にやられることもあり変な金網をつけていた事もありました。

例によってすて猫も家につれてきてしまう私に、うちは金魚がいるから猫は飼えないよと言う親。そして事件は起きました。

なにやらうちの金魚が傷ついて池に浮いていたのです。烈火のごとく怒る父。

私はここでも泣く泣く自転車の荷台に猫を乗せ、友達と秘密の森の奥のきれいな沼のあるところにおいてくる羽目になりました。

ところがです。犬の帰巣本能はものすごいのは知っていましたが猫もちゃっかり次の日には帰ってきてるじゃありませんか

 今度はもっと遠くに捨ててきなさいと言われ、またえらく遠くまで捨てに行きました。

結局、金魚の傷は猫が与えたものではなかったようでその後も他の金魚に全部移る金魚の病気の一種だったようです。

そこでどこで仕入れたんだか、金魚の病気は薄い食塩水を水に入れれば治るなんていううわさを聞きつけ、早速試してみました。

大きな洗濯タライに金魚をいれ、水の中にどんどんあじ塩をいれていったのです。結果はてきめん塩漬けになった哀れな金魚たちはみんな天国に行ってしまいました。

そして、金魚とはしばらく縁のない生活をしていたしこれからは魚を飼う事もないだろうと思いました。

ところが結婚して新婚旅行から帰ったら、うちの人は、急に熱帯魚の水槽を3つもそろえ、そこに思い思いの熱帯魚をいれて飼いだしたじゃありませんか。

 結婚式の祝い金をもらってハワイで買いたいものも買わないで残しておいたお金だから文句ないだろって…たちまち電気代は一万円を越え、もらってきたインコはうるさいしい、ポンプが24時間うなりいきなりペットショップのような新婚生活が始まりました。

実は私も新婚旅行で残しておいた10万があったのですが、車が壊れて車代に消えてしまいました。

うちの人は結婚前は、テニスが好きなスポーツアウトドア派のように必死に見せていたのですが、実は鉄道、魚などのれっきとしたお宅だったのでした。

 鉄道お宅や熱帯魚お宅って常人には理解不能の言葉を次々とまくしたてるんですよね。

鉄道のキハがどうとか熱帯魚の名前なんてお前さんよくまあそんなに舌をかむような長い名前覚えられるなあとあきれるほど

それに関して説明させたりするとうんちくが非常に長くなるのでなるべく避けるようにしました。

そして、熱帯魚が死ぬとランチュウも飼いはじめました。病気になっても完全に死ぬまで放置するので一時は死にかけのランチュウを何日も見る羽目になり、遊びに来た友達からも気持ち悪いと言われる始末…

まあ金魚はいまや隠れたブームみたいですから、熱帯魚ほど電気代もかからないからいいんですけどね。


くわがたの思い出

子どもの頃は、全然興味のなかったくわがたやカブトムシですが、いざ子どもが2人とも男の子で欲しがるようになると

家族でカブトムシを取るのに熱心になりました。

毎年のようにカブトムシやクワガタがいそうな樹液の出てる木を探しにいったり、はたまたそういう木を見つけると早朝に行ってみたり、根本を掘ってみたり親のほうが夢中になってハンターのように虫取りに励んでしまうんです。

でもあれは、見つけたりとったりするという行為自体が楽しいのであって,その後プラケースに入ってしまうと急速に興味が薄れます。

そしてなぜか人間様のゼリーより高い虫用のゼリーを機械的に惰性で取り替えていき、何気に臭くなってきてそして寒くなり死んでしまう。と言うのが常でして。

ひどい時にはプラケースがなくてカブトムシとクワガタを同じケースに入れておいたら翌朝見事にカブトムシが一刀両断にスパッと2分の1にされていたこともありました。

ニュースなんかで1000万するクワガタとか聞くとお金を出して虫をお金出して買う人の気が知れないと思うのは私だけではないでしょう

それに比べて容姿はさして変わらないのにゴキブリの全国民からの嫌われっぷりはどうでしょう。

ゴキブリに言わせりゃ、俺の方がすばやく飛ぶし、生命力も強い。樹液だけなんて好き嫌い言わないのに

何で俺はいつもゴキブリほいほいとか殺虫剤で殺されたりスリッパでぺちゃんこにされるのにあいつらカブトムシめ。といいたいでしょう

ゴキブリは何で嫌われるかというと不潔というのが第一で次にあの動き方に問題があると思います。
異様に走るのが速いし、それも隅っこが大好き走るだけかと思いきやおもむろに飛んでみたりもする。

絶対入れないだろって隙間も入っていくしあっゴキブリだと思った時、足で踏んだら足につぶれた死体がつくし、向こうが逆切れして顔にでも飛んできたらそれこそ恐怖の坩堝と化してしまう。 

ひよこの思い出

小学校の帰りには、通学路によく怪しげなおじさんが物を売ったりしていました。

とある日いたいけな学校帰りの子ども達が沢山集まって何かを見ていました。

とりあえず、行列があれば並ぶタイプの私がそのまま素通りするわけがありません。

見るとピンクや青など様々な色のかわいらしいひよこがいっぱい売られていたのでした。

当時の小学生たちはおじさんのこのひよこは特別外国から来たひよこだから色も違うという売り文句に疑いもせずみんなうちに帰りそのひよこを買っていく子供が結構居ました。

もちろん私もそのうちの一人です。

うちにつれて帰ってきたひよこはピンク色のきれいなひよこで、有頂天になる私に親は待たばかのものを買ってきてと半ば諦め顔です。

ところがです、次の日になるともう外国帰りにひよこちゃんはげんきがなくなってきたじゃないですか。

私も必死になって寒いからだろうとコタツに入れたり、おじやみたいなものを作ってたべえさせたりしたのですが、結局すぐ死んでしまいました。

その時の落胆した気持ちがだんだん悔しさに変わりおじさんに怒りをぶつけたくなりました。

でも、あの日以来ひよこのおじさんは通学路に姿を見せません。

そんな幼少時代の経験を学習せずに大人になり、家族で農業フェアを言う催しに暇つぶしに行きました。

市か農協の主催だったので、先着何名さまにひよこをプレゼントされるというではありませんか。

昔のピンクのひよこのトラウマをすっかり忘れて、ご丁寧にも3回も並んでひよこを3羽もらってしまいました。

 確かにひよこの時はものすごくかわいく、多少臭いのですがとてもかわいがりました。

よく鶏は3歩歩くと忘れてしまうぐらい馬鹿といい居ますが、いつもえさを与える私が親と思ったのか、ちゃんと後追いするようになり、ひよこらしさも抜けて幼鳥ぐらいになると、庭にはなしたりもしました。犬も面白がって追っかけまわしますがさすがにくいしんぼうのメイもお食事にする事もなく、しまいにはやっと自分にもお友達が出来たと思ったのかしつこく付回すようになりました。

鶏というぐらいで他の鳥と違い庭から外に出ないで平和にくらしてました。

ところが、だんだん真冬になり、大きなプラケースに入れておいたのですが、弱り結局大人になる前にみんな死んでしまいました。

鶏を飼うというのは意外と難しいもんです。

 


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